アルツハイマー病につながるたんぱく質「アミロイドベータ」が脳に異常に蓄積しているどうか、血液から判定する方法を発見したと、国立長寿医療研究センター(愛知)などの研究チームが日本学士院発行の11日付の学術誌に発表する。治療薬開発に役立つと考えられるほか、将来はアルツハイマー病発症前の検査に使える可能性もあるという。 同センター研究所の柳沢勝彦副所長、ノーベル化学賞を受賞した田中耕一島津製作所シニアフェローらが共同で研究を行った。 研究チームは血液中に、脳から流れ出したとみられるアミロイドベータに似たたんぱく質「APP669―711」があることを発見。血中のアミロイドベータの量と比較し、脳へのアミロイドベータ蓄積の有無を判断することに成功した。 患者ら62人の血液を調べ、現在、蓄積の診断に用いられている陽電子放射断層撮影(PET)と比較したところ、92.5%の確率で蓄積を判定できた。