アマンダ・ノックス被告に逆転無罪判決が出た英女子大生殺人事件は、大きなミステリーに包まれています。なにせ、判決を出した裁判官ですら、「真実は違うかもしれない」と漏らしているくらいですから。事件を長らく取材し、関連本の著書もある英ジャーナリスト、グラハム・ジョンソン氏は英BBCに対して、無罪判決が出た「10の要因」を指摘しています。 (1)合理的な疑いが残る。 疑わしきは罰せず。イタリアの司法制度でも、被告の有罪が認定されるためには、無罪である可能性をなくす立証、つまり、「合理的な疑い」を超える証明を満たさなければならない。弁護側は、検察側のDNA鑑定の資質をめぐり「合理的な疑い」を訴えるのに苦心。「凶器」に残っていたカーチャーさんのDNA片は、鑑定するには試料が少量で、独立機関も検察側の鑑定に異議を唱えていた。 (2)現場での捜査ミス 証拠品の逸脱や押収品の汚れ、問題ある捜査手続きなど警