初版完売 光市事件「実名本」2万部を増刷 山口県光市母子殺害事件の被告の元少年(28)=死刑判決を受け上告中=の実名を記した単行本が出版された問題で、出版元の「インシデンツ」は26日までに、単行本2万部の増刷を決めた。初版の4千部は既に完売している。 元少年側は「原稿を事前に確認させる条件を守らず、同意がないまま実名を記載した」として広島地裁に出版差し止めの仮処分を申請しているが、著者側は「了解は得ていた」などと反論。「新事実が書かれ、社会的意義がある」(寺沢有・インシデンツ代表)と正当性を主張している。 少年法は、未成年時の事件で容疑者の実名報道を禁じており、初版は大手書店が販売を見合わせる動きもあった。