被害金額の大きさから「 爆盗 ( ばくとう ) 」と呼ばれ、今年は6月末時点で42件(前年同期比34件増)、計442万円(同370万円増)の被害が確認された。県警は犯人検挙に向けて本腰を入れ始めている。 「店のダメージが大きすぎる。頭が痛い」 県北地方のドラッグストアに5月初旬、スーツケースを持つ東南アジア系の2人組の男が訪れた。挙動不審な様子に気付いた男性店長(47)が声をかけると、2人は商品が入った買い物かごをその場に置いて立ち去っていった。「盗まれなかった」と、ホッとしたのもつかの間。商品棚を確認すると、化粧品や薬など計107点(約28万円相当)がなくなっていた。店長が気付く前に、スーツケースに忍び込ませたとみられる。 この売り場の店員は3~4人。9台ある防犯カメラの画像は粗い。店長は「とても警戒しきれない。高価な化粧品を鍵付きショーケースに入れるくらいしか自衛手段がない」と嘆く。