顎の骨にインプラント(人工歯根)を埋め込み、人工歯をかぶせる歯科治療で、神経損傷、感染症などのトラブルや民事訴訟が県内を含む全国で増加している。リスクが高く高度な技術が求められる治療にもかかわらず、患者に否定的な情報を十分説明していないなど、歯科医のモラルが問われるケースも目立ち、早急な対策が求められている。 浜松市南区の50代女性が、市内の歯科医に誤った治療をされたとして損害賠償を求めた訴訟の判決が11月26日にあり、静岡地裁浜松支部は歯科医に195万円の支払いを命じた。弁護士を立てない本人訴訟だったが、裁判所は過誤を認めた。女性は、ずさんな治療が横行していると憤る。 判決や女性によると前歯の治療でインプラント本体を誤った位置に埋め込まれたため、激しい頭痛や顔面が腫れて食事も外出もままならない日が続いた。治療した歯科医は「失敗ではない」と主張したが、その後に受診した7カ所の歯科医院す