<盛田常夫(もりたつねお):在ブダペスト、経済学者> 世界の先進諸国で、ポピュリズム(大衆迎合主義)と民族主義が幅を利かせるようになっている。西欧のポピュリズムやトランプ政権を批判する前に、日本のポピュリズムと民族主義を問題にすべきだろう。なぜなら、日本の安倍政権こそ、典型的なポピュリズムと偏頗な民族主義を二本柱にする政権だからだ。 アベノミクスは典型的なポピュリズム 「灯台下暗し」で、日本国民は安倍政権がポピュリズムと民族主義を二本柱にしていることを意識できない。まさに、無意識のうちに嵌ることこそが、大衆迎合のポピュリズムと民族主義の社会現象である。トランプ政権の民族主義的政策を心配する前に、日本の行く末を心配したほうが良い。 アベノミクスとは、「高度成長をもう一度」という根拠のない経済スローガン=経済イデオロギーにすぎない。景気が悪いより景気が良いほうがいいに決まっているから、右も左も