薄氷の共犯関係 「若者よ怒れ」 平野さんは学生運動の元闘士。出版社時代に労働争議で指名解雇された後の76年、新宿ロフトを開店した。「わかってたまるか」社会への怒りをぶつける若者の姿勢と音楽にほれ込んだ。82年、店を仲間に託し、海外放浪の旅に出る。10年後に帰国したとき、ロックは業界に取り込まれ、メジャー志向のバンドが増えていた。若者の話しぶりにも異変を感じた。いつも「君の気持ちもわかるよ」から始まり、「ま、いいか」で終わる。「わかってたまるか」と、ぶつかってこそ得られる絆。それを知ってもらおうと、95年に「ロフトプラスワン」を作った。右翼、左翼、AV監督、オタク、格闘家らが出演し、客と討論するトークのライブハウスだ。・・・ あらがいようのない時代の流れ。だが、平野さんは違和感を覚える。「何でも受容する懐の深さが新宿のよさだったのに」髪の毛を逆立てたロック少年が警官に職務質問され、かばんを開
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