ポスドクだからこそできること。ポータブルスキルのような見えにくいものでなく、もっと直接的にアピールできること。その上で、自分のやりたいことへの道が開けている職業。それは一体なんなんだろうか。 僕はまっさきに研究職が頭に浮かんだ。ただし、アカデミアに残ろうという気持ちは全くなかった。田所教授のような悪魔の戦略を取られてしまったら、それこそキャリアビルディングどころの話ではなくなってしまうからだ。それに、できることならビジネスに関わりたい。そうやって考えると、企業の研究職につくというのが自然な発想のように思えた。ただし、その道が自分のやりたいことへとつながっているのか、いまの段階では良くわからなかった。 モヤモヤした気持ちのまま、僕はバイオベンチャー2社ほどに履歴書と職務経歴書を送った。こんな気持ちのまま面接を受けるのも良くないな、と思っていたが、心配は杞憂に終った。どちらも面接にすら進めなか