直線の坂上、逃げ粘るビートブラックを交わそうとしたオルフェーヴル。その2頭のあいだの狭いスペースにねじ込むように入ったジェンティルドンナ。2頭はぶつかった。そのあとも2頭は再三接触し合いながら、激しい競り合いはゴールまで続き、わずかに先着したのは3歳牝馬のジェンティルドンナ。激しいマッチレースが展開された。 降着制度は、2013年1月1日からルールを見直し、新しい「降着ルール」を取り入れることが決まっている。ちょうどその過渡期に発生した、きわめて難しい判断を求められる審議だった。確定までに約20分もの時間がかかっている。 新しい降着制度のもっとも重要な変更部分は、「その走行妨害がなければ、被害馬は加害馬に先着していたかどうか」である。現行の降着ルールでこれに該当する部分は、「その走行妨害が、被害馬の競走能力発揮に重大な影響を与えたかどうか」である。 まだ、新降着制度が導入されているわけでは