新型コロナワクチンの接種が進むにつれ、各種メディアでワクチン接種後の“有害事象・副反応”と誤認されるような報道が相次ぎ、接種を悩んでいる方も多いのではないでしょうか。ワクチンに関する報道とその影響について、日本では過去にHPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンでも似たようなことが生じ、接種率が激減したことがあります。ワクチンに対する正しい情報を得るために、私たちはどのようなことに留意すればよいのか、公衆衛生の専門家で日本のHPVワクチン接種問題に関わる情報発信に尽力されてきた木下喬弘先生にお話を伺いました。 ◇報道をきっかけに接種率が激減した「HPVワクチン」メディアの報道をきっかけにワクチン接種が滞った例として、子宮頸(けい)がんなどの予防につながる「HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)」が挙げられます。 当初の報道は、有効性などポジティブな側面に関するものがほとんどで、日本での接種率は