■首都圏の「数百人」 原発事故の後、首都圏から縁のない沖縄に逃れて、今も暮らす人たちがいる。 「沖縄は人が温かくていいですねー。もう東京では暮らせません」。かりゆしウエアに身を包み、明るく話す谷村仁さん(38)が沖縄に来て、5カ月が経つ。 「日本が終わる」。東京電力福島第一原発の事故後、そんな恐怖に襲われ、妻と子ども、弟夫婦の5人で九州に逃れた。原発がない場所を求め、縁もゆかりもない沖縄へ。ようやくマスクを外すことができた。 放射能は「他のリスクと根本的に違う」と語る。「目に見えないし、情報も玉石混交で、わからないことが多い。だから怖い」 「安心して買い物できる環境を」と7月に食品の放射線測定会社を設立したが、まだ軌道に乗らず、貯金を切り崩す生活が続く。 弟の丹さん(33)も会社を辞めて一緒に沖縄に来た。「僕は東京で被曝(ひばく)したので、10年もすれば病気になる」と真剣に話す。 避難者同