ETV特集 9月13日（日）写真・左：神に捧げる伝統的な踊り（マルケサス諸島の踊り） 写真・右：ブルターニュの海岸でゴーギャンの著書を朗読する池澤さん 文明が行き詰まった感がある今、100年前に描かれた近代絵画の傑作が2009年4月、初めて日本で公開される。「我々はどこから来たのか、我々は何者か、我々はどこへ行くのか」(1897-98)。画家ポール・ゴーギャンはこの絵を描いたあと自殺を図る。 19世紀末、工業化社会が人々を変え、西洋文明の矛盾があらわになろうとしていた。ゴーギャンは恐慌の中で株の仲買人の仕事を失って、画家となり家族と別れ文明に背を向け南の島に楽園を求める。しかし、楽園は文明に汚染されたタヒチにはすでになく、野性が匂う女を描くことで楽園の幻影を追い求める。そして孤独な死を迎えて、絵のタイトルが暗示している意味は謎として残った。 番組では、ゴーギャンの生き方をなぞるようにして、南の島へ通い、反文明の文学を
