慰安婦を描いた映画が韓国で2月に公開され、ヒットしている。物議を醸すテーマであるため、大手の映画会社や配給会社は取り扱いを拒否してきた作品だ。“優しい日本人”も描くなど従来と異なる表現が見られる。 「私たちは皆、靴工場に行くと聞いたわ」。映画の中で、十代の少女の1人が怯えつつ、期待を込めて言う。 1943年、少女たちは中国東北部に向かう列車の中で、身を寄せ合って床にうずくまっている。パステル色の亜麻の服を着た少女たちは、日本兵によって自宅から連れ去られたばかりだった。 ほどなくして彼女たちは、第2次大戦中に日本が占領した地域の兵士たちの需要に応えるために作られた売春宿、いわゆる「慰安所」で繰り返し殴られ、レイプされることになる。 日本兵も被害者として描く 当時、最大20万人の女性が拘束された。ほとんどが韓国人と中国人だが、多くの東南アジア人や少数のオランダ人、オーストラリア人も含まれていた