撮り鉄というと、鉄道の撮影が好きな人なんだろうなという穏やかな印象よりも、乗客や周辺住民に迷惑をかけ、運行にも支障を出しかねない迷惑な存在というイメージが強くなっている。世間を敵に回してまで撮影を続けるのはなぜなのか。自身も撮り鉄であるライター・カメラマンの小川裕夫氏が、写真・カメラ誌『アサヒカメラ』(朝日新聞出版)・佐々木広人編集長へのインタビュー取材から、迷惑撮り鉄をなくすための方策を考えてみた。 * * * 鉄道撮影を趣味とする、いわゆる「撮り鉄」のマナーが悪すぎるという指摘がSNSなどで相次いでいる。自分が気に入ったアングルで車両の写真を撮るために、乗客を怒鳴りつけたり、通りがかった子どもの腕を引っ張ったり、果ては駅員や運転士を邪魔者扱いして罵倒するといった粗暴な行為が動画や写真とともに拡散され、広く世間から批判されている。ともすれば事故にも繋がりかねない行動も少なくないためか、鉄