経済産業省がスーツの代わりに着物で出勤を促す「きものの日」の導入を検討しているという。 ノーネクタイでジャケットを着用しない夏の「クールビズスタイル」は定着した感があるが、果たして着物や浴衣は仕事をするのに相応しい格好といえるのか――。社会保険労務士の稲毛由佳さんが解説する。 * * * ここ数年、花火大会やお祭りで浴衣姿の若者が増えたような気がします。 とはいえ、着物の出荷額は昭和50年代のピーク時の1兆8000億円規模から3000億円規模まで激減。着物を着るのは、成人式や結婚式くらい。一度も着物に手を通したことがないという人のほうが多い今、着物業界は青息吐息という状況です。 そこで、着物の衰退に歯止めをかけようと、経済産業省が着物で出勤を促す「きものの日」の導入を検討しているというわけです。 候補となっているのは、浴衣の季節である7月から8月、すでに一般社団法人全日本きもの振興会が「き