独特のリズムと不思議な世界観で様々なテーマを斬る作家・高橋源一郎さん。作家としての高橋さんを形作った基礎は神戸の受験校・灘高で過ごした日々にあったそう。9月より、コラムの連載を始めて頂く高橋さんに高校時代のお話、当時の勉強の仕方、大学時代から「書く」ことへ向かう準備期間、書き続けるエネルギーなどについて伺いました。 まずは、高橋さんの高校時代のお話から伺わせていただけますか。 僕は神戸の受験校でした。灘高です。楽しい高校生活でしたよ、とても。人によっては、苦しいという人もいるでしょうが、基本的に受験校というのは、受験のために学校に来ている、という前提を教師も生徒も共有しているので「裏切られた」とか「何でこんなに勉強しなきゃいけないのか」っていう恨みや悲しみの発生する前提がない。先生と生徒の間で、受験勉強に関しては一種協定を結んでるんです。「さくさくとやりましょう。それをやってたら、あとは何