パソコンがウイルスに感染し、遠隔操作で犯罪行為に使われるなんて怖い話だ。しかし、もっと恐ろしいのは、逮捕されたら最後、犯人に仕立て上げられてしまうことではないか。今回の事件では、逮捕された4人のうち2人までが自白させられている。なぜ人は「虚偽の自白」をしてしまうのか。避ける手立てはないのか。【小国綾子】 ◇原因は−−暗示、説得、脅しに屈し「早く楽に…」/対策は−−弁護士すぐ呼んで周囲の支援も必須 「連日の厳しい取り調べで記憶の変容が起こることがある」と語るのは、石川知裕衆院議員だ。小沢一郎・民主党元代表(現・国民の生活が第一代表)の政治資金規正法違反事件を巡り、元秘書として東京地検特捜部の取り調べを受けた(同罪で1審有罪、控訴中)。保釈後の再聴取を「隠し録音」し、担当検事の捜査報告書に虚偽の記述があることを指摘した。 石川議員は「身に覚えのないことでも『記憶違いではないのか』と執拗(しつよ
警視庁多摩中央署は3日、刃渡り6.8センチのツールナイフを所持していた西東京市の会社員の男性(66)を銃刀法違反容疑で誤認逮捕したと発表した。銃刀法は正当な理由なく刃渡り6センチ以上の刃物を携帯することを禁じているが、ツールナイフなどの折りたたみ式は8センチ以上とする除外規定があることに、署員が気づかなかったという。同署は逮捕から8時間、男性を不当に拘束していた。 同署によると、3日午前1時半ごろ、東京都多摩市永山の路上で、車をとめていた男性にパトロール中の地域課の男性巡査部長(39)が職務質問した。任意で車内を調べると、助手席のダッシュボードからツールナイフが見つかった。所持の理由について、男性は「特にないが、あると便利だから」と説明。多摩市に来た目的もあいまいだったといい、午前3時、銃刀法違反容疑で現行犯逮捕した。 しかし同日朝、出勤した上司が誤認に気付き、男性に謝罪。午前11時に釈放
日本人研究者の森口尚史氏が人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使った世界初の臨床応用を実施したと読売新聞が11日付朝刊で報じた。これに対して、森口氏が客員講師を務めた米ハーバード大と、患者への治療を実施したとされる米マサチューセッツ総合病院は同日、「森口氏の一切の臨床試験は、我々が承認したものではない」との声明を発表した。 森口氏は、米ニューヨークで10日から開かれていた国際会議で、iPS細胞から心筋の細胞を作り、重症の心不全患者に細胞を移植する治療を実施したとポスターで展示した。この治療は、ハーバード大の倫理委員会の「暫定承認」を受けたと説明。読売新聞が、この発表内容を報じたことに対して、国内外の研究者から疑問の声が上がった。 森口氏は11日、研究内容をまとめたポスター展示の場で、詳細を報告する予定にしていたが、主催する米財団によると、予定の時間に森口氏は現れなかった。その後、主催者は会場か
新党「日本維新の会」(代表・橋下徹大阪市長)との連携を目指す東京都議会の会派「東京維新の会」が、現行憲法を無効として戦前の大日本帝国憲法の復活を求める請願に、今月4日の都議会で賛成していたことが分かった。橋下代表は10日、「ありえない」と苦言を呈し、今後の連携を見直す考えを示した。 請願は京都市内の男性ら約5000人によるもので、「我が国の独立が奪われた時期に制定された」と現行憲法の無効を主張。皇室典範についても「国民を主人とし天皇を家来とする不敬不遜(ふそん)の極み」と批判し、「国民主権という傲慢な思想を直ちに放棄」するよう決議を求めた。 請願は、東京維新の野田数(かずさ)都議が紹介議員になり、東京維新の3人が賛成したが、反対多数で採択されなかった。 日本維新は憲法改正を掲げているが、橋下代表は「憲法破棄(の立場)は取らない。大日本帝国憲法復活なんてマニアの中だけの話だ」と批判した。 野
野田佳彦首相は7日、東京電力福島第1原発事故直後に現場で対応にあたった東電や協力企業の社員ら8人と、福島県楢葉町の拠点施設「Jヴィレッジ」で懇談した。海外メディアから「フクシマ・フィフティーズ(福島の50人)」と称賛された社員らは、当時の苦境を生々しく証言した。 当時1〜4号機のユニット所長だった福良昌敏さんは「2カ所の中央制御室にそれぞれ20人近くが交代無しで48時間持ちこたえた。食料は乾パンと水しかなかった」と過酷な実情を語った。1号機の爆発の際には、中央制御室の天井板が全部落ち、ほこりで真っ白になったため、全面マスクをして作業を続けたという。 電源設備の責任者は炉心冷却用の電源が失われ、「万事休す。もうだめじゃんと思った」という。それでも電源復旧のため、部下に現場へ行くように指示。部下から「現場に行って、本当におれたちは戻ってこられるのか」と詰め寄られた。「お願いだから行ってくれ」と
現在は飼育員の手からエサを食べられるように特訓中のマルコ=長野県須坂市の須坂市動物園で2012年8月22日、小田中大撮影 長野県の須坂市動物園で、フンボルトペンギンのヒナが10日間に3回も脱走する騒ぎが起きた。いずれも、逃げ込んだ公園の池で「楽しそうに泳いでいる」(職員)姿が報道されて大人気に。なぜ、脱走を繰り返すのだろうか。【小田中大、巽賢司】 動物園には、ヒナ4羽を含め12羽のフンボルトペンギンがいる。問題のヒナは、4羽のうち最も遅い5月29日にかえり、間もなく生後3カ月。体長約50センチでまだ性別は不明。飼育員は、おなかにある黒い斑点が円を描くように見えることから「マルコ」と呼ぶ。 最初に逃げたのは12日。他の1羽と一緒に飼育舎の滑り台からジャンプして通路へ出たと推測された。このため、滑り台の入り口をふさいだが、14日には再び外へ。柵の下の隙間(すきま)(約8センチ)からはい出た可能
大津市の沢村教育長襲撃事件で、容疑者の少年を乗せ大津地検へ出発する車=大津署で2012年8月16日、村山豪撮影 いじめを受けた大津市立中学2年の男子生徒が自殺した問題を巡り、対応に当たっていた大津市の沢村憲次教育長(65)がハンマーで殴られ負傷した事件の直後、市教委に寄せられた苦情電話やメールの件数が、事件前の約18倍の273件に急増したことが16日分かった。多くは襲撃を「当然だ」とする内容だった。 市教委によると、7月4日に「自殺の練習」など学校が実施したアンケート内容が明らかになって以降、いじめへの対応などを批判する電話やメールが計約1万5865件寄せられた。 襲撃の前日までは1日平均15、16件だったが、襲撃があった15日は273件に上った。この中には「謝れ、謝れ、謝れ」と連呼するものや、「(いじめがじゃれ合いなら)襲撃もじゃれ合いだろう」と擁護するものもあったという。 松田哲男教育
大津市で昨年10月、いじめを受けていた市立中学2年の男子生徒(当時13歳)が自宅マンションから飛び降りて自殺し、遺族が市と加害者とされる同級生らに対し損害賠償を求めている訴訟を巡り、大津市の越直美市長は10日夜、「(男子生徒は)いじめがあったから亡くなったんだと思う。遺族の主張を受け入れ、和解したい」と述べ、いじめと自殺との因果関係を認めて和解を目指す意向を示した。因果関係を否定してきた従来の主張を撤回するとみられる。 また、近く設置する外部の有識者による調査委員会では、「裁判で因果関係を立証できるような(新たな)証拠を探すために調査したい」と、遺族側に有利になるよう配慮するとした。「(自殺後)時間がたちすぎて、関係者から十分話を聞けない事態を招いたのは学校のいいかげんな調査が原因」と述べ、一連の学校と市教委の調査の不備を批判し、「調査内容はまったく信用できない」と断じた。
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