「あっ、この部品じゃねえのか」――。自動車メーカーが指定した順序で納品するために部品を取り出そうとしていた男性作業員は一瞬、身構えた。腕に取り付けたICタグ・リーダーがアラート音を発しながら振動し始めたのだ。部品を間違ったまま納品していたら、自動車メーカーの生産ラインは止まっていたかもしれない。 自動車部品の納品精度を高めるためにICタグを利用するのは、愛知県岡崎市で自動車部品の物流・倉庫業を営むロジックスだ。現場の作業員は腕時計型のリーダーを身につけ、部品を取り出す際には、部品の通い容器(パレット)に取り付けたICタグに近づけて、作業が正しいかどうかを確かめる(写真1)。 複数の車種を混流生産する自動車メーカーは今、納品業者に「順立て」と呼ぶ形での納品を求めている。製造ラインを流れてくる車種の順序通りに、必要な部品を届ける仕組みだ。納品時に部品の順序を間違えると、生産ラインが止まりかねな
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