東京から熊本に移住した建築家・アーティストの坂口恭平さんは、今年5月、原発事故の影響を避けて疎開する人々の一時避難施設『ゼロセンター』を設立。8月には東日本の子供達を招いて体を休息させる数日間のサマーキャンプも開催した。 —この『ゼロセンター』はかなり年季が入っていますが、立派な木造家屋ですね。 坂口「築80年ほどらしく、大家さんはこの地域の高校の元校長先生です。あまり手を入れずに少しずつ直しながら使っています。家賃は3万円。住む人がいないから“いつまでも借りていいよ”と。さらに半額でいいと言ってくれたけど、さすがに悪くて。そういう意味では、東京と比べて街に隙間があるんですね。『ゼロセンター』は僕の仕事場でもあり、みんなに開放している場所。だから“プライベートパブリック”な、個人が作る公共の空間と呼んでいます。半分は公園だから、アポなしで人が遊びに来ちゃう。こっちは仕事してんのに……とたま