<医療費の抑制に貢献するのに見過ごされている改善点は、病院の快適な環境づくりだ>(写真:日光を浴びることが入院期間の短縮につながることも) 医療費の増加は頭の痛い問題だ。保険会社が悪い、金儲け主義の製薬会社のせいだ、いや、生活習慣を改善させるべきだ......などなど、医療改革をめぐる議論は紛糾の一途をたどっている。 そんななか、医療費抑制に大きく貢献し得るのに見落とされている課題がある。患者に優しい環境づくりだ。治療施設の設計と治療効果の相関性を示した論文は600点余りにも上る。 英国医師会は11年の報告書で、「快適な環境は患者の治療に貢献し、患者の状態に顕著な影響を与え得る」と指摘。お粗末な設計は「不安やせん妄、高血圧、鎮痛剤の使用量の増加」を招くことがあると警告している。 【参考記事】老化はもうすぐ「治療できる病気」になる 設計見直しにはカネがかかるが、投じた予算は無駄にはならない。