小説『原発ホワイトアウト』(講談社)。発売わずか2週間で永田町、霞が関界隈を賑わす問題作だ。=写真:筆者= 現役キャリア官僚が書いたとされる『原発ホワイトアウト』(著・若杉冽=講談社)が話題を呼んでいる。サブタイトルは「原発はまた必ず爆発する」。 原発という甘い蜜に群がる経産省、電力業界、政界の内情が赤裸だ。さすが「権力の現場」に詳しいキャリア官僚が書いたと思わせる場面が随所に登場する。いま永田町や霞が関では“犯人捜し”が行われているそうだ。 あらすじ― 電力業界全体が外部(関連会社)に発注する金額の合計は5兆円にものぼる。関連会社は電力会社の指示にしたがって政治家のパーティー券をさばくだけで相場より15%も高い価格で事業を受注し続けることができる。割高の事業コストを支えるのは「総括原価方式」だ。 政治家を資金面で支えてきた電力業界だが、フクシマの事故をうけ全ての原発は停止したままだ。この