千葉景子元法相が在任中の昨夏、全国の拘置所に収監中の死刑囚約110人の精神状態を調べるよう指示し、広範囲に精神鑑定を実施したことがわかった。鑑定の結果、精神状態に異常をきたす「拘禁反応」が疑われる死刑囚も数人いた。法務省によると、死刑囚の精神状態を死刑執行前に調べる場合はあるが、全国一斉に調査した例はないという。 法務省は死刑執行の検討過程のほか、死刑囚の精神状態や医療行為についても、個人のプライバシーなどを理由に弁護人にも非公開としている。日本弁護士連合会(日弁連)や人権団体からは「処遇や執行が適切に行われているのか検証できない」という批判がある。今回の精神鑑定についても結果を公表する予定はない。裁判員裁判が定着し、市民が死刑の是非についても判断し始めている中、死刑制度をめぐる情報公開のあり方の面からも議論を呼びそうだ。 同省関係者らによると、千葉氏は法相だった昨年8月下旬、静岡県で