第二次世界大戦後、経済学の中心はアメリカに移り、前回取り上げたようなサムエルソンに代表される新古典派総合の経済学が長いあいだ支配的だったが、そのサムエルソンを批判し続けたのが、イギリスのケンブリッジ大学でケインズの教えを受けた女性経済学者ジョーン・ロビンソンである。彼女は何度もノーベル経済学賞の候補になったが、あまり第二次世界大戦後、経済学の中心はアメリカに移り、前回取り上げたようなサムエルソンに代表される新古典派総合の経済学が長いあいだ支配的だったが、そのサムエルソンを批判し続けたのが、イギリスのケンブリッジ大学でケインズの教えを受けた女性経済学者ジョーン・ロビンソンである。彼女は何度もノーベル経済学賞の候補になったが、あまりに左派的な言動が災いしてその栄冠に輝くことはなかった。しかし、みずから「左派ケインジアン」を名乗り、ノーベル賞級の学者たちを相手に進んで論争を挑んだ彼女にとって、