成長が続くインターネット通信販売市場に異変が起きた。国内トップである楽天の国内流通総額(電子商取引)の成長が鈍化しているのだ。 2015年12月期連結決算(国際会計基準)の国内流通総額は、2兆6748億円と過去最高だった。だが、伸び率は前期比10.2%にとどまった。2割近い成長を続けていた2年ほど前の勢いは完全に弱まった。 しかも、この数字はゲタを履かせたものなのだ。楽天は昨年11月に突如、流通総額の定義を変更した。それまではネット商店街「楽天市場」が中心だったが、宿泊予約の楽天トラベルを合算した新しい基準に変えた。この変更により、決算で公表してきた楽天市場の売上高と利益は開示されなくなった。 「伸びの高い楽天トラベルを合算して10.2%ということは、楽天市場の伸びは1ケタにとどまったと考えられる」と分析するアナリストもいる。 のれんの特損で減益 楽天全体の売上高に当たる売上収益は、前年比