【本はなぜ売れないのか】(中)「1000万種類超、ネット書店は2ケタ成長」 (1/4ページ) 2009.9.21 01:51 新しいシステム 書店の棚は、各出版社が次々に刊行する新刊で飽和状態になっている。そのサイクルは早くなる一方で、じつに4割もの書籍が、誰の手にも渡らずに返本されている。明らかな異常事態が常態化してしまっている出版界だが、返本率を引き下げるための試みも動き始めている。 「責任販売制」という新しいシステムがそのひとつだ。書店は取次会社を経て出版社から本を仕入れているが、従来の「委託販売制」では、出版社と取次会社が“配本”の主導権を握る代わりに、売れなかった本は仕入れ値と同額で返本できた。 新システムでは、書店に仕入れの裁量権が委ねられる。返本となった場合、出版社は定価の仕入れ値の3〜4割でしか引き取らない。その代わりに、書店の受け取るマージンは委託の約1・5倍にあたる3