・プロジェクトファシリテーション 創業125年の老舗大企業 古河電工。人事総務部門の担当者とコンサルティング会社のコンサルタントが二人で書いた業務革新の一大プロジェクトの回顧ノンフィクション。構成のアイデアが素晴らしい。同じ場面を担当者の視点と、コンサルタントの視点が交互に描いている。それぞれの言動がそのとき相手の立場からはどのように見えていたか、そして何を考えていたかが明らかになる。 コンサル会社側は得意のファシリテーションで円滑に進めるべく準備万端で挑んだ会議でも、クライアント側では「なんで、ひとつの会議に三人もコンサルタントがいるんだ?これじゃあお金かかるよなぁ」などと思っていたりもするわけだ。現場目線の素直な心理描写から、ビジネスの発注側、受注側の両者の心の動きが再現されている。 古河電工は09年3月時点で従業員数3万7427人の大企業。多数の工場と子会社を抱える。多くは独自に発達