目を覚ましたのは2時台。起きたのも2時台。 数学の好きな人は、解答にいたるまでの過程に感心があるだろう。プログラミングに興味のある人は当然、コマンドラインを読みたくなるだろう。「東京を深夜に発ち、チェンライへはおなじ日の午前に着いた」という移動の経過を欠いた紀行文を僕は好まない。だから僕の、旅の初日の日記はどうしても長くなるのだ。そしてこれを書くうち空が明るんでくる。 朝食の後はプールサイドに降りる。僕の海外でのホテル選びは、第一は日除けと寝椅子を備えたプールがあること、第二は便利な場所にあること、あるいはその場所への便利な交通手段が確保されていること。第三は価格、ということになる。このホテルの部屋は大したこともないけれど、プールサイドの寝椅子の本の読みやすさは天下一品だった。 持参した本は2冊。その1冊目は6月にタイに来たときからのもので、ドナルド・キーン編「昨日の戦地から」。いまだ20