1925年に創刊されたJTBの時刻表の編集を長年、手がけてきた。JR各社などが別々に作る時刻表を、乗り継ぎの便も考慮しながらレイアウトする。利用者が使いやすい時刻表を作る名人だ。 今でも編集は手作業。鉄道各社から送られて来る時刻表は書式がバラバラだ。「共通しているのは紙ということだけ」だという数字の山を、編集者らがコンピューターに入力する。そこで20年以上の経験が生きる。 列車は時刻の早い順に並ぶのが原則。しかし、例えば9月号では、午前9時20分に新大阪駅に着く東海道・山陽新幹線上りの「ひかり444号」は、同じ駅を3分後に出る「こだま532号」より後に書かれている。「ホームが離れていて3分で乗り換えるのは無理」と知らせるためだ。 部下には担当の地域に一度は足を運ぶよう教えてきた。駅の構造を見て乗り換えを経験すれば、自然に利用者の視点が反映できる。「現場を見ると見違えるようにページが良