小さいサークルをたくさん復活していくしか、たぶん救いはないと思うんです 平田 だからといって、別に今、原っぱを作ったからといって、もう子どもが帰ってくるわけではないから、例えば大学でいえば、カフェを作ったりとか、演劇でも、音楽でも、美術でも、環境保護運動でも、ボランティアでもいいんだけど、そういうアートとか市民参加型の事業を通じて、様々なそういう地域社会を復活していく、小さいサークルをたくさん復活していくしか、たぶん救いはないと思うんです。魔法はないと思うんです。 佐々木 先日の高校生の母親殺害の事件に触れたとき、中学生の時はスポーツで優勝して、でも高校に進学後の1年か2年で、あんなに劇的に変わってしまうと思って、私は親として、どこまでどう育てていると安心なのか、とても恐怖に思ったんです。その話をしたときに、平田さんが、「重層性」っておっしゃったんですよね。 平田 他の場所がない。 佐々木