伊藤計劃のデビュー作『虐殺器官』を読んだ。 近未来の米軍を舞台にした今までの日本の小説には無かったといっていいミリタリーアクション小説で、一度読み始めたら読み終わるまで本をおけないほどにムチャクチャ面白い。デビュー作からこの作家を追っかけなければならないということはよくあるけれども、これほど惹かれた作品というのはここ2、3年になかったように思う。 そう…アップトゥデイトで世界の有り様を描いた作品としては、 個人的に3年ぐらい前から、ずっと考えていた「ポスト福井晴敏には誰が座るか?」という命題があった。考えている候補は何人もいたのだけれども、ことここに至っては、そこに座する作家として伊藤計劃が最有力候補として入ってきたというのは間違いない。 虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション) 作者: 伊藤計劃出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2007/06メディア: 単行本購入: 26人