読了。金庸の全作品のなかで、最後最長最高の傑作との声望も高かった作品である。5年も前から評判だけは聞いていたのだが、ようやく読めた。本来ならここで内容について詳述していくところだが、どうせ2巻以降の感想も書くことになるだろうから、それはあとまわしにして、これまでの金庸作品について軽く語っておくことにしたい。 この作品はアンチ武侠小説とかメタ武侠小説といわれる通り、金庸のこれまでの作品のパターンを裏返したともいえる内容で、それらの作品について知らなければ充分に楽しむことができないのではないかと思われるからだ。金庸の長編は全部で12ある。ひとつひとつ読んでもおもしろいのだが、すべて通して読むとその構想の雄大さがより胸に迫るようにできている。ここではそのひとつひとつについて簡単に紹介していくことにしよう。まあでもあれだ。長いから無理に読まなくてもいいかも……。 ・「書剣恩仇録」★★★☆ 全4巻。