【話の肖像画】タレント・高田純次さん(67) 〈昭和47年、自由劇場の研究生になり、舞台の道に一歩を踏み出した。当時の仲間にはイッセー尾形や、のちに劇団東京乾電池を結成する柄本明、ベンガル、綾田俊樹らがいた〉 自由劇場が研究生を募集していると聞いて受験したら合格しました。高校、大学と落ち続け、初めての合格通知はうれしかった。ほとんど全員、受かったみたいですけど(笑)。1年後には別の劇団に参加しましたが、ここで方向転換。安定を求めて宝石会社に社員として就職したんです。会社では宝石を鑑定したり、よく働きました。取引先の受けもよかった。だけど4年後に偶然、昔の仲間に会って、また芝居に戻ってしまいました。妻子もいたのに会社を辞めた。今でも「魔が差した」と思っています。 〈柄本らの東京乾電池に参加。公演の合間は妻子を養うためにアルバイトの毎日だった〉 夕方5時まで稽古して、6時に現場に行って