「すっごく文学性の高いマンガだから」 と、息子(高3)に強引に押し付けられて、 全8巻を読まされる。 が、思った以上に優れた力作で、感動した。 いわゆる“コミック的萌え要素”には閉口しながらも、 作品に込められた、あまりにも重厚なメッセージに、強く胸を打たれた。 庶民の立場から、様々な資料を丁寧に消化して、 その犠牲(のエッセンス)を、ここまで真摯に描いた作品は少ないだろう。 作者の決意と、男気に心から拍手したい。 原爆や沖縄戦や、南島玉砕や満州引き上げなどの悲劇が、 あまりにも大き過ぎるゆえに忘れ去られがちだが、 全国各地の大空襲の凄惨さは、 未来まで語り継がれなければなるまい。 大空襲の体験を知るか知らないかで、 人間の、人生の質を決定付ける分岐点になる、とさえ思う。 【↓以下、作品の重要なネタバレを含みます↓】 横浜大空襲で、生死の境から幽体となって、 以降60年さ迷い続けた、4人の
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