震災翌日に生まれ、まもなく生後6カ月となる佐藤希美ちゃん(中央)。家族の愛情に包まれすくすくと育っている=岩手県陸前高田市で、貝塚太一撮影 東日本大震災の翌日、新たな命がひとつ、被災地に舞い降りた。悲しみばかり多い世の中で、少しでも未来への希望になってくれたら--。小さな愛娘に付けた名前は「希美(のぞみ)」だった。 津波で肉親や自宅を失った岩手県陸前高田市の会社員、佐藤茂さん(44)と妻由美さん(38)の長女希美ちゃんは、3月12日に生まれた。2678グラムだった体重は半年で2.5倍に増え、寝返りもできる。暑さが残る仮設住宅。ひまわりが好きで、黄色い花柄が描かれたうちわであおがれるとニコニコ笑う。 あの時、自宅にいた由美さんは11日後に出産予定日を控えていた。揺れの後、長男碧(あおい)君(5)を連れ、高台にある親戚の家に車で逃れた。隣の大船渡市で働く茂さんとは連絡がつかなかった。 翌朝、腹
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く