東京大学の和達大樹准教授らの研究グループは、巨大磁気抵抗を示すコバルト酸化物にスピン配列の周期として理論的に考え得る全ての状態が存在し、それらが磁場をかけることにより変化する「悪魔の階段」と呼ばれる様子を捉えることに成功した。 物質科学の分野では、電子のスピンの自由度を活かしたスピントロニクスが注目を集めている。コバルト酸化物SrCo6O11は、磁場をかけたときに、同じ方向と逆方向に揃ったスピンの比率が2対1になる状態が安定であると予測されているが、磁気構造は全く明らかになっていなかった。 今回の研究では、0.20×0.20×0.05mm3程度の非常に小さな正六角形のコバルト酸化物を持ちって、ドイツの放射光施設BESSY IIで、共鳴軟X線回折実験を行った。その結果、各温度で測定されたX線回折パターンで、ほとんど全てのスピン配列の周期性に対応する分数値の回折ピークが観測され、各々の温度で様
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