自分たちの学年は、医学部にしては珍しく馬鹿揃い、との評判だった。 確かにキレッキレの天才っぽい人間は皆無。 とにかく多浪が多く、現役を0と計算しても平均2.x浪というような感じだったと思う。 でも自分はこの浪人組の人たちが大好きだったし、なによりも素敵だったのが、 この学年は上の学年から落ちてきたほとんどの先輩たちを道連れにして、 一緒に卒業した奇跡の学年だった、という事だった。 むろん国試合格率は史上最悪だったがそれが何か悪いか?(翌年ちゃんと頑張って合格していた。東大みたいに国試不合格者が吹き溜まると大変だもんね) 10を超える多浪の人が何が違ったか、というと勉強のスタイルが「孤独」だった事だろうか。 ノートも生真面目にとってらっしゃるから、「貸して見せてください」とお願いしたところが、 字がきれいなだけでまとまっていない、大変な物体だという事に気づいた数人は、これ以後、 「ねえ、○○
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