東京・奥多摩地方の野生のサクラは、ツキノワグマがその実を食べて移動することで種が運ばれ、標高の高い場所に広がったとする研究結果を、森林総合研究所(茨城県つくば市)などのチームが米科学誌カレントバイオロジー電子版に発表した。最大で700メートル以上も高い場所に運んでいたという。 植物は種を風に乗せて飛ばしたり、実などを食べる鳥などの動物が離れた場所でふんをしたりすることで、分布域を広げることが知られている。チームは、奥多摩に自生するカスミザクラの種を分析し、親木が生えている標高を推定する手法を開発。2010〜13年、標高550〜1650メートルでツキノワグマのふんから… この記事は有料記事です。 残り432文字(全文719文字)