小学生の頃、道ばたや公園にエロ本が落ちていたら大騒ぎになったものだった。読んだところで何が何だか分からないのだが、「普段、絶対手に届かないものがすぐそばにある」という特別感は、簡単に小学生のテンションを上げる。 年末に行われた、小学校の同級生たちとの飲み会でも、やっぱり“道ばたのエロ本”の思い出話で大いに盛り上がった。ある関西の知人は「あの頃のエロ本は、ほんまに“通貨”やった」としみじみしながら語っていた。多くの人が「路上でエロ本に出くわす」経験をしたことがあるだろう。実際手にとって読んだかは別として。 しかし、普段あまり人目につかないよう、人々から細心の注意を払われているエロ本が、なぜあんな風に白昼堂々とその姿をさらけ出していたのだろうか。今思うとなかなかおかしな光景である。 そんなわけで私は“道ばたにエロ本”現象の謎について、自分なりに解明してみることにした。 街を漂流するエロ本 おそ