「べらぼう」 脚本・森下佳子「写楽は誰なのかより、なぜ蔦重は売れない写楽画を出し続けたのかが、私にとっての最大の謎」 江戸時代中期を舞台に、親なし、金なし、画才なしの町人・蔦つた屋や重じゅう三郎ざぶろう(横浜流星)が、時代の風を読み、やがて“江戸のメディア王”になるまでを描く、大河ドラマ「べらぼう~蔦つた重じゅう栄えい華乃がの夢ゆめ噺ばなし~」。 脚本を手がける森下佳子は、この作品で何を描こうとしているのか。森下の思いを紹介する。 大河ドラマは“祭り”という心意気を忘れずに、エンターテインメント作品にしたい ——執筆依頼の際、主人公が蔦屋重三郎と聞いて、どんな印象を持ちましたか? 「大河ドラマで?」というのが正直なところでした。合戦のない時代、もちろん蔦重は天下もとらないし、非業の死を遂げるわけでもありません。「脚気かっけで亡くなる本屋のおっちゃん」の人生で、何を描くのだろう、と(笑)。
