日本を代表する映画評論家で、多くの若い映画人を育てるなど日本の映画評論をけん引した佐藤忠男さんが、今月17日、胆のうがんのため亡くなりました。91歳でした。 佐藤忠男さんは新潟県出身で、高校を卒業後、雑誌に映画批評を次々と投稿して注目を集め、1957年から雑誌「映画評論」の編集に携わるなどしたあとフリーの映画評論家としての活動を始めました。 豊富な映画鑑賞経験と知識に基づいた客観的な分析で知られ、小津安二郎監督や黒澤明監督などの評論をはじめ数多くの著作を発表し、1995年には100年以上におよぶ日本の映画史を20年がかりでまとめた「日本映画史」を発表して高い評価を得ました。 後進の育成にも積極的に取り組み、1996年には日本映画大学の前身にあたる映画の専門学校、日本映画学校の学校長に就任し、みずからも教壇に立って若い映画人を育ててきました。 こうした功績から、1996年に紫綬褒章を受章し、