政府が長年「存在しない」としていた資料が、政府内から見つかった。沈没船の犠牲者遺族がずっと探し求めていた乗船者の名簿だ。 戦争終結直後の1945年8月24日、朝鮮人労働者やその家族数千人を乗せた旧日本海軍の輸送船「浮島丸」が、京都府の舞鶴港で爆発、沈没し、500人以上が死亡した。「浮島丸事件」として知られる。 日本政府は、乗船者は朝鮮人3735人、乗員255人、死者は乗客524人、乗員25人と発表。犠牲者氏名が記された死没者名簿も存在する。しかし政府はずっと、乗船者名簿だけは「ない」と言い続けてきた。乗船者が分からないのに、なぜ死者数を確定し、死没者名簿を作成できたのだろう。 韓国人生存者や遺族、事件の真相解明を求める人たちは、日本政府が事件の真相を隠していると疑い、事件はミステリーとして語られてきた。韓国では今も、本当の乗船者数は「6千人」「8千人」だったとの説が語られ、数千人が犠牲にな