時には、一所懸命に描くだけでなく、対象物(石膏像)-画面-視点-脳-行為-素材-用紙-痕跡……と、一連の関係の中で「デッサン」を考えると、今までなんとなくそうしていた(描いていた)なかに、原理と応用としての「ものの見方」に気づく場合が多い。デッサンには、対象物(カタチ)の理解に重点を置く姿勢で取り組む場合と、絵画として平面世界を創る姿勢で臨む場合がある。どちらも表現する舞台(この場合は用紙)は平面なので、自分の眼と対象物との間に立つ「画面」を意識することで、只単に石膏像にのめり込む見方とは異なったいろいろな捉え方ができる。以下の例は画面内で識別できる変化を、その向こう側に存在する石膏像とのやりとりをもとに、描くための、あるいは形態と空間を絵として成立させるための、捉え方の一例を述べたものである。 木炭紙に鉛筆 前後左右に傾斜させない画面の設定。水平・垂直の辺に囲まれた枠。その中に納まる石膏
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