「家族により多くの時間を充てる時期が来たと判断した」。日本板硝子のスチュアート・チェンバース社長は26日の会見で、辞任に至った経緯を説明した。「家族のため」を理由に退任するというグローバル企業トップの決断は日本のビジネス社会に一石を投じそうだ。 チェンバース氏によると、辞任を決意したのは8月初め。夏期休暇中に英国に住む16歳の長男と会った際、「このままでは見知らぬ他人のような関係のまま、もうすぐ独立する息子と別れることになる」と感じ、10日に藤本勝司会長に辞意を伝えたという。チェンバース氏は就任以来、月の半分を単身赴任の東京、4分の1を英国、残りを他の海外出張に充てる生活が続き「家族との時間がほとんど持てなかった」と説明。「日本の古典的サラリーマンは会社第一で、家族は二の次だが、私にはそれはできなかった」と語った。今後、企業経営に携わることはなく経済界からリタイアするという。藤本会長は、「