電車内空間での逸脱行為 石井綾子 1.はじめに 大学進学で東京に出てきて、最もカルチャーショックを受けたのは電車である。朝夕の満員電車ではそれまでに味わったことのないストレスを経験した。その中にいると、通常以上に他人の行動に対して敏感になるように思う。足を開いて座る人、ヘッドフォンから音楽が漏れている人、雨の日に傘をたたまずに乗り込む人、大勢が降りる駅についた時入り口付近に立っている人、他者の暗黙の規範(ルール)を破る行為に必要以上にイライラするのだ。大学1年で電車内空間でのルールの多さとその特殊性に興味を持った。 大学3年の夏、タイの山岳民族の村で2週間生活した。そこで現地の人、ヨーロッパ各国の学生と共同作業を進める中で気付いたのが、やたらに「効率」を重視する日本人の姿である。そういう目線で街を眺めると、日本人は最低限の食事やトイレの時間以外、隅から隅まで時間を余すところなく使おうとして
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