ダイエットで何がつらいと言っても、食欲をガマンすることではないでしょうか。それを克服するには、少しの食事で満腹感を得る方法を体得すればいいのでは!? という単純な理屈にひらめき、糖尿病専門医で大阪府内科医会会長の福田正博(ふくだ・まさひろ)先生のクリニックに駆け込んでお話を伺いました。 ■満腹だと感じる一番の刺激は「血糖」 ――先生、まずは満腹感を覚える体のメカニズムを教えてください。 福田先生 食欲を調整しているのは、脳にある満腹中枢(ちゅうすう。満腹感を得る場所)と、摂食中枢(せっしょくちゅうすう。空腹感を生み出す)のバランスです。 食事をすると、血液が食事中に含まれる糖分を吸収して脳に運び込みます。そのとき、血液中の糖分の割合=血糖値が上がり、満腹中枢を刺激して「満腹ですよ」という信号を出します。 同時に、食欲が抑えられます。ですから、満腹だと感じる一番の刺激は、「血糖」です