静岡県東部、伊豆半島の東岸中部に位置する伊東温泉。湯量は全国有数(毎分約3万1520リットル)で、静岡県では一番を誇る。中高年の人にとって伊東で思い出すのは高度経済成長期に盛んに放映されたテレビCM「伊東に行くならハトヤ! 電話はヨイフロ」だろう。この広告が伊東を有名にしたといって良い。 しかし、最近、伊東を訪れた人々は皆、街に活気がない、寂れているという印象を持つ。また、20キロほど離れた熱海温泉が観光客数のV字回復などと話題になる一方で、伊東温泉についてはあまり語られない。その伊東温泉の現状を探ってみたら日本の観光産業の縮図が見えてきた。 実は伊東の来訪者数はそれほど減っていない 伊東の交通の要である伊東駅は、JR東海道線・東海道新幹線の熱海駅からJR伊東線の電車に乗り継いで25分ほどだ。海岸沿いには熱海方面から下田につながる国道135号が縦断している。 JR伊東線はここが終点で、この
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