全国で数多く走るようになった観光列車。それらの多くは、基本的に鉄道会社が沿線の商工会議所などの協力を得つつ企画し、走らせている。 ところが、2016年3月の北海道新幹線開業に合わせて並行在来線を受け継いだ第三セクター・道南いさりび鉄道の観光列車「ながまれ海峡号」は、大手旅行代理店である日本旅行が企画したものだ。 「ながまれ海峡号」は、優れた鉄道旅行商品を表彰する同年の「鉄旅オブザイヤー」のグランプリに輝いた。鉄道会社ではなく旅行会社が運行するという、従来の常識とは異なる観光列車はなぜ生まれ、どんな工夫が行われているのか。現地取材を踏まえ、その実態を紹介する。 「ながまれ海峡号」が生まれるまで 北海道新幹線の開業まで数年となったある日、北海道オプショナルツアーズの取締役である永山茂に、1本の電話がかかってきた。電話の主は、北海道庁から木古内町役場に派遣され、新幹線開業時に第三セクター鉄道へ経
![「日本一貧乏な観光列車」が人気を集めるワケ](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/65bd65a0fb1f1994c60a4135ef7e704d6d2876ae/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Ftk.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2Ff%2F1%2F1200w%2Fimg_f16be01708b4dd400051f66a35d8e2f0105723.jpg)