賛否両論ある音声入力方式の実力 モバイル端末の新たな入力手段として、ペン入力以上の期待を集めているのが、「音声入力」であろう。人間が発する言葉で機械を操る音声入力は、極めて自然でエレガントな操作方法として、長年にわたって研究開発が進められてきた。しかしこれまでのところ、一般への普及はそれほど進んでいない。現時点で音声入力は、自動車のナビゲーションなど一部の領域においては実用化されているが、PCやケータイのような汎用情報機器では、ごく一部のアプリケーションを除いて、まだ広く使われているとは言えない状況だ。 その理由としては、「音声認識の精度が不十分であること」「あらかじめユーザーの声に合わせる、スピーチ・トレーニングが必要なこと」など、技術的な要因が1つある。しかしそれ以上に、「人前で(ケータイのような)機械に向かって、ぶつぶつ話しかけるのは気が引ける」という、一種の社会的・心理的な要因も大