むかし「インベーダー」というテレビドラマがあった。建築家のデビッド・ビンセントが空飛ぶ円盤を目撃。宇宙からの地球侵略計画を察知するものの、誰にも信じてもらえない。露口茂のナレーションがゾクッと恐怖を煽った。本書を手にちらっと、そんなことを思い出してしまった。 本書は、巧みな変化球で、ストライクを決めてくる。スポーツニュースってさァ、国に関わる隠密な重職を担っているんだけど、気付いていたかい? と著者は耳打ちするのだ。 松坂やイチローや松井、あるいは中村俊輔、まあ誰だっていい、海外で日本人が活躍していると聞くと、なぜかうれしく思ってしまう。ルールなんて満足に知らないくせに、気にしてしまう。それはなぜなのかと、著者は問いかける。 <私たちが日本人だから? それは答えのようで答えになっていない> 日本人選手の海外での活躍を「うれしく思う」背景にナショナリズムが影響しているのは、あらためて言われる