小沢一郎民主党前幹事長に関する報道をやめてみたら、と先週書いておきながら、再びこの話に触れるのは悲しい限りで、我ながらこっけいでもある。でも、ごめんなさい。この国が再び重大な岐路に差しかかっていると思うから、菅直人首相と小沢さんの対決になだれ込んだ代表選について書く。 つい3カ月前に鳩山由紀夫前首相とともに幹事長を退き、政治資金問題も決着したとはいえない小沢さんの出馬は、私には理解しがたい出来事だ。だが、逆説的に言うと今度の代表選に唯一、意義を見いだすとすれば、経過はともあれ、小沢さん本人が出馬したことかもしれない。 20年の長きにわたり、なぜ「小沢対反小沢」の対立が政界で繰り返されるのか。政敵は次々と代わっても、なぜ、小沢さんだけは政争の片方の主役であり続けるのか。その理由の一つは小沢さんが一度も首相になったことがないからだと私は考えてきた。 首相を務めれば、その後は「ご苦労さま」と一線